とある神社での不思議なお話です。
その神社は道路沿いにあり人目につきやすく、猫丸は何度も神社の前を通りつつも立ち寄ったことはありませんでした。
今年の1月神社の前を通った時のことです。
今まで一度も何も感じなかった神社でしたのに、この日は何かに呼び止められる感じがして立ち止まりました。
いつもなら嫌だなぁ…とか思うのに、この日はそんなこと思いませんでした。
神社の中に入り覗いてみると、やはり何かの気配がします!
今回はやはり嫌な気配はしません。
中に入ってキョロキョロと辺りを歩いてみました。
「何に呼ばれたんかな?」と意識を集中させてもよくわかりません。
「猫丸を呼んでいるのに、姿を現さないなんて力が弱ってるんかな?」と思いながら、狐の石像に向かい呪文を唱え気を送ってみました。
すると突然、言葉なく突然目の前に2匹の白い狐が現れました。
「うわぁ!!」驚いて声を上げてしまいました…(^_^;)
ドッキリ系は心臓バクバクです!
よく見ると目の前に現れたのは、なんともやせ細った小さな白い狐たちでした。
この狐たちは夫婦だといい、奥さん狐はかなり衰弱している様子。
やせ細った姿は、一見して狐には見えません。
まるで野犬のように見えました。
しかし、よく見ると、骨ばった体に似合わぬ大きなお腹です。
「え?もしかして妊娠しているの?」と思った瞬間、狐たちは大きく頷きました。
人間の信仰心の力で妖力を得ていたという狐は、人間の信仰心の力が時代を経過すると共に極端に衰え、そのため妖力も無くなってしまった…と説明してくれました。
そして、もう180年という長き間、子供を身籠ったまま子を産める力もなく、この場で180年も過ごしているのだと話します。
猫丸が何度も社の前を通りかかる度、助けて貰おうと呼びかけていたそうですが、自分たちの霊力が弱く気付いて貰えなかったというのです。
狐は「呼び止める力もなく嘆いていたが、今日は何とありがたい!ずっとこの機会を待ち望んでいた、やっと来てくれた」 と狐たちの喜びが伝わってきました。
と、その瞬間、あれほど痩せこけていた2匹の狐たちが突如人間の2倍ほどの大きさとなっているではありませんか…( ̄◇ ̄;)
え?! なんで?!
「これが元の姿なのか…」「でも何故急に…?」などと心で思っていると、「お前様の神の光でチカラを取り戻せました。ありがたや。」といいました。
すると1匹の小さな狐が、2匹の夫婦狐の側に立っているではありませんか!
「もう生まれたの?」驚いて、つい大きな声が出てしまいました。
その自分の声に驚いて、周りをキョロキョロ見てしまったほど…。
妖力を取り戻し子供が産めたようです。瞬間芸のようです (^_^;)
フサフサの白く長い毛を靡かせ、堂々と立つ2匹の姿は神々しく、暫く見とれました。
姿も大きく元に戻り、妖力も蘇った狐たちは、とても嬉しそう。
気づくと周りには沢山の狐が3匹を取り巻き、「祝いだ、祝いだ」と騒いでいます。
ああ、そっか、お祝いかぁ…ようやく子供が産めたんですもんね。
狐の眷属たち(一族の者)は歓喜の声をあげています!
「力を得られありがたや、ありがたや。お方様に御子の誕生めでたや、めでたや」
夫婦の狐の子の誕生で、狐の眷属たちの力も蘇ったようです。
この時には、子狐はもう大人くらいの大きさにまで育っていました…(^◇^;)
狐達が力を得て蘇ったので、この地に新たに結界も張ってもらいました。
なので、この周辺のご家族はその恩恵を受け夫婦仲は以前よりはよくなり、子宝に恵まれない夫婦にもその恩恵があるでしよう。
こんなこと本当にあるの?夢でも見てるんじゃないの?
と、思われるかもしれません。
誰だって、こんな話 信じられないと思います。
こんな不思議な現象が起きる時、猫丸はいつだって、夢をみているような感じです。
まさに、狐につままれたような感じですょ。
ほな(=゚ω゚)ノ