日本は2013年の終わり頃から、火山噴火活動が活発化しております。
2013年の西之島の噴火を皮切りに、昨年2014年の御嶽山噴火も発生し、56名もの死亡者が出てしまったのは記憶に新しく、現在も7名の方が未だ行方不明であり、警戒レベルは3の入山規制がかけられています。
そして2015年現在、日本列島の火山活動は未だ活発化が止むことはなく、ますます活発化しております。
これらの事象は、火山の本格的な活動期に入ったことを示唆しているのでしょうか。
もともと日本は世界有数の火山列島であり、現在も110の活火山が存在しています。
かつての日本列島は、古代から沢山の火山が爆発し、多くの犠牲者を出してきました。
その火山噴火により、村がまるごと消滅してしまった歴史もあります。
群馬県の浅間山では、現在は火山活動が活発化しており、ほぼ毎日白い噴煙を出しています。
過去の歴史を辿ると、過去浅間山の噴火では周辺地域に甚大な被害をもたらしてきました。
浅間山は1783年に、史上最大級規模の天明噴火を起こしております。
この時の噴火による死者は、1500人以上といわれております。
この噴火で火砕流の溶岩が冷えて固まったのが、北軽井沢の「鬼押出し」です。
この大噴火、もう一方では吾妻火砕流とは別に鎌原(かんばら)火砕流も猛威を振るい群馬県の鎌原村を村ごと飲み込んだそうです。
噴火が始まったのは1783年4月9日。
最初は小規模の噴火であり、それが次の月まで続き、5月に2度目の噴火をし、6月に3度目の噴火。
この時は比較的大規模な噴火であったそうで、周辺には軽石が降下し、江戸でも降灰が確認されています。
活発化はさらに進み、7月に入ると断続的噴火活動が始まったそうです。
7月6日の夜から8日の朝にかけて最大規模の大噴火を起こします。
立っていられないほどの激しい火山性の地震が発生し、巨大な爆発音と共に発生したのは、火砕流と岩屑流れという最悪な状況だったそうです。
この時、群馬側の山肌を滑り落ちる土石雪崩が鎌原村を襲い、100戸前後の集落を、あっという間に飲み込んだそうです。
土石流のスピードは、推定秒速100メートルだといわれております。
570人の村民のうち、477人が亡くなられました。
水が引いた後、人の遺体や動物の屍が吾妻川の浅瀬に上がったそうで、その姿は人の形、動物の形を留めていなかったそうです。
生き残った村人は、近隣の助けを借りて復興をしましたが、江戸時代中期に不思議な話が広まったそうです。
それは、噴火から33年が経ったある日、鎌原村に住む男が井戸を掘っていたところ、瓦が出てきたそうです。
更に掘り進めると屋根が現れたので穴を開けて中を覗いてみると、その下から人らしき影が蠢いていたので驚いたそうです。
その影の正体は、なんとなんと、浅間山の噴火で生き埋めになった家族であったそうです。
詳しく話を聞くと、一家は六人暮らしで、中にいたのは老人2人。
噴火した時に土蔵に逃れたものの、山が崩れて土蔵ごと地中に埋まってしまったそうです。倉庫にあった食糧を食いつなぎ、月日が経つに連れ4人が亡くなり、2人が33年が経ったその時まで生き残っていたというのです!
この話は太田蜀山人(おおた しょくさんじん)という狂歌師が「半日閑話」という書物で「信州浅間獄下奇談」として、この話を伝えているそうです。
これが真実ならば相当アンビリバボーですけどね…。
まぁ、家が埋まるくらい凄い噴火だった…ということなのでしょう。
群馬県 嬬恋村(つまごいむら)にあります「鎌原観音堂」には、当時の噴火被害で亡くなられた二人の女性の遺体が発見されているそうです。
この二人の遺体は、1979年の昭和54年に地中発掘調査で発見されました。
観音堂には石段があり、その下に二人の遺体は埋まっていたそうです。
遺体は白骨化していたものの、衣類や、頭巾の布、頭髪や皮膚がわずかばかり残っていたそうです。
体の1部は完全にミイラ化していたようです。
観音堂辺りは、実に6mもの土石流に覆われてしまったことも判明したそうです。
この天明大噴火が発生した江戸時代、東北地方では約10万人の死者を出した天明の大飢饉が起きています。
始めは大噴火のせいで大飢饉が起きたと認識されていたそうですが、現在は天明の大飢饉は噴火前に既に始まっていたことが判明しております。
現在、日本列島で活発化している山は下記の画像にある、レベル3の桜島、レベル3の口永良部島・新岳、レベル3の御嶽山、レベル2の阿蘇山、レベル2の草津 白根山、レベル2の霧島山の新燃岳です。
西之島は依然として、活発化した状態が続いています。
更に伊豆大島や三宅島でも噴火の兆候が出てきた火山もあるようで、現代の日本は、「地震や噴火が相次いだ平安時代末期の状況によく似ている」と、火山予知連絡会の藤井会長はそう述べています。
まず、鹿児島の桜島ですが、2009年から活発化し始めています。
2011年の東日本大震災後、一定規模以上の噴火回数は大幅に増え、2013年8月18日の爆発的噴火と同規模の噴火の懸念があるとして今年に入り警戒レベルを上げていました。
今年に入り3月19日現在、198回目の爆発を記録しております。
2015年3月27日追記…桜島は26日に溶岩噴火を記録し、現在1時間に一回以上のペースで噴火や噴石を伴う爆発が起きています。
桜島では、今迄とは規模の違う大きな噴火が度々発生し、その影響から空振が発生。
民家の窓ガラスを割るなどの被害も出ています。
雨戸を閉めないと、たちどころにガラスが割れてしまうそうで、現在桜島周辺の地域では雨戸を締め切って生活をしているようです。
鹿児島大学の井村 隆介准教授によりますと、山体膨張が続いている経緯から、近い将来大正大噴火クラスの噴火が発生するのではないか…との見解を述べています。
桜島大正大噴火とは、我が国が20世紀に経験した最大の大噴火です。
始めにマグニチュード7.1の地震が発生した後、約8時間後に大爆発をした大正大噴火。
この時に発生したマグニチュード7.1の地震は、マグマの侵入により地殻の強度が低下し、蓄えられた歪が解放されたことによる大地震でした。
死者は29名、全壊家屋120棟、半壊195棟。この時、小規模(2m)の津波も発生した大規模噴火です。
この表を見る限り、桜島は確実に活発化していることが分かります。
現在、警戒レベル2の阿蘇山ですが、九州を代表する阿蘇山では、30万年前から9万年前までの間に4回巨大カルデラ噴火が発生しています。
9万年前の大噴火は、阿蘇4噴火と呼ばれるほど我が国では、最大級の大噴火の歴史を持つ活火山です。
この時、放出されたマグマは600立方km以上に達し、鬼界カルデラ噴火の5倍以上だといいます。
江戸にまで火山灰を降らせた程で、富士山の宝永噴火の実に1000回分に当たるスケールだったそうですので、相当な大規模噴火だといえます。
そして、本日3月20日11時8分に、阿蘇山は連続噴火が継続中。
噴煙の高さは火口上1200メートルと達し、昨年噴火して以来の最高の高さを記録したそうです。
また、火山噴火傾向として、発生期間が長ければ長いほど、大噴火を誘発する危険性が高まるといいます。
実際日本列島では、過去約100年大規模噴火は発生しておりません。
富士山の宝永噴火も1707年に爆発して以来、不気味に沈黙を続けています。
日本列島は活火山列島です。
日本列島は数千年に一度の割合で、地球規模では数百年に一度の頻度で文明を滅ぼすほどの破局噴火が発生しています。
しかし、これ程の破局噴火の頻度の確率は1%、対応策さえ取れないのが現実です。
千人を超える死者を出した噴火被害は、先程の浅間山噴火です。
カルデラ破局噴火に至っては、7300年前のアカホヤ火山が最後です。
なので、当然現代人はカルデラ破局噴火の経験がないわけでして、未経験の未知数の災害を未然に防ぐ為の資金投入など難しいと思われます。
現在、常時監視火山は、110ある火山のうち50火山です。
御嶽山の噴火を受けて気象庁は、噴火の際に数分内に情報を出す「火山速報」を新たに創設し、登山者などに直接危険を伝える方針を決めたそうです。
火山活動に関する情報は、現在自治体を通じて伝えられているそうで、登山者に直接伝える方法はとっていなかったようです。
これからは登山者などに携帯メールを活用するなどして、直接伝える方針だということです。
そして小笠原諸島の西之島の新島ですが、2015年に入りますます活発化し拡大中です。
2015年3月17日の国土地理院によりますと、西之島の標高は137メートルにも達し、体積は東京ドーム約52個分の6446平方メートルにまで成長しました。
3月27日追記…3月26日に発表された記事によりますと、西之島の噴火活動は衰えていないものの、溶岩量が減ってきたようで、面積は拡がっていないとの報告です。
急激に溶岩量が減った原因はわかっていません。
地下マグマが移動でもしているのでしょうか?
現在、西之島の噴火間隔は10秒に1度、1分間に5〜6回という頻度だそうで、溶岩片を含んだ噴煙が常に上がる状態です。
今後、海底火山が噴火する危険も含め、海上保安庁は半径4キロ以内に近づかないよう呼び掛けています。
これらを踏まえて考えますと、今の時代火山大噴火は「想定外」などという絵空ごとではありません。
火山の近くに住まう人々には、万が一を考えますと大変深刻な事態だと言えます。
西之島の溶岩量が減り、今度は桜島や鹿児島の口永良部島の新岳では溶岩が観測されているとのことですから、マグマが移動している可能性もあるかもしれません。(猫丸的見解)
火山付近周辺にお住まいの方々は、噴石や溶岩流、火砕流などの甚大な被害が予想されますので、その被害は予想に迅速に対応できる避難方法を考えておくべきであり、常にご家族で避難計画を話し合われておくべきだと思います。
火口から離れている方でも、火山灰の被害を想定しておく必要はあると思います。
富士山や浅間山、阿蘇山までもが江戸にまで火山灰が降り注いだという記録から、火山灰の影響に対応する備えも必要だと思います。
降灰は数日で終わることもあれば、一年以上も続く場合もあるそうですから、噴火被害の影響は長く続くという認識は持っておくべきだと思います。
降灰被害を防ぐ備蓄としては、防塵マスク、防塵ゴーグル、レインコートなどは歩いて移動の時に必ず必要になります。
いざになってからでは入手は難しくなりますので、防塵マスクと防塵ゴーグルはご家族分ご用意されておくと安心ですね。
電化製品などは灰により壊れてしまう場合があるそうで、サランラップをかけると防げるそうです。
また、火山灰が入り込んだ水は、食器洗浄機や洗濯機に使うと壊れてしまうそうです。
そして火山灰の入った水は、健康被害が起きる可能性があるということですから、飲料水も必要ですね。
火山の観測態勢の強化を議論してきた火山噴火予知連絡会の検討会は、近く纏める最終の提言に全国の火山で観測機器を増やす一方、得られた観測データから火山活動を評価できる人材の育成に気象庁が取り込むことにしていることを今月発表しました。
やはり最終的には自身の日頃の観察力と、いざの直感が我が身を助けることに繋がります。
フッと思った事や、いつもとは違う感覚は直感の場合が多く、日頃とは違う異変に気付けることは命を守ることに繋がります。
火口近くにお住まいの方々は、日頃の観察が生死を分けます。
いつもと違う事象は、火山噴火の前兆である可能性もあります。
山岳写真家の津野祐次氏は、御嶽山には20年前から年に10回も登っていたそうです。
津野氏によりますと、20年も前から年に10回も御嶽山に登っていた津野氏が、はじめて経験したということが幾つかあったそうです。
それは噴火当日30分前、いつもより強い腐った卵の臭いや立ち込め、霧が一気に晴れて澄んだ青空がのぞいたのき「こんなこともあるんだな」と思ったそうです。
また、数々の登山家からは一ヶ月前くらいから、所々で水蒸気が上がっていた、硫黄の臭いがキツくなった…などの報告を当時のテレビのコメントで話していました。
また、御嶽山でも火山性の地震が増えておりましたので、それらも予知に繋がることだと思います。
また、火山性地震、低周波地震が増えている時は要注意だと思います。
気象庁はといえば、予兆の一つも捉えられませんでした。
火山性の地震の頻度を懸念し、警戒レベルを上げておけば、あれだけの被害は出なかったと思います。
火山活動期に入った日本列島。
入山にあたっての警戒は、最終的には自分の判断です。
事前の情報などから判断するしかありません。
あとはいつもと違う感覚があった時などは、山へ登りたいという欲望は抑え、思い切ってやめる決断も必要ではないでしょうか。
いつもの感覚とは違う何かを感じたら、自分の直感を信じてください。
ほな(=゚ω゚)ノ